彼自身すら知らないが、実は人造の魔法生物《ゴーレム》の一種である。魔王が存命の頃、とある魔道士が魔王を護る楯とすべく作り出した存在だった。が、人体を、それも特殊な魔法を練り込んだ意思持つ生物を産み出すなど至難の技。結局彼の肉体が完成した時には魔道士の寿命が間近に迫っていた。そこで魔道士は自らの意識と魂を目の前の“器”に移し替えようと試み__皮肉にも“意識だけは置き去りに”魂は移し替えられた。
更に皮肉なことに、魂を得た《魔法生物》は“とある男”率いる魔王討伐隊に懸賞金目当てで参加してしまう。だが、同じく討伐隊に参加していた一人の戦士を庇い、果てた。
__ように見えたため彼は置き去りにされたが、実際には能力の影響で生存。それでも一度は死亡扱いされてしまったために討伐隊の一人とは数えられず、目当ての懸賞金も得られずじまい。収穫は「自分が庇った結果ちゃっかり最後まで生き延びた
悪友」一人であった。
上記の経緯から今回の招集も受けていない。
悪友が開いた酒場で情報を聞きつけただけである。それでも一応召集対象は“元討伐隊”とあるので、暇潰しにでもと参戦した次第である。
本当に余談だが、何故か生殖能力もあるらしい。何を血迷った、魔道士よ